by 奥永
2000/05/27(Sat)-28(Sun) にかけて、恒例の「TET初夏のツーリング」に行ってきました。今回の目的地は長野県の白馬村です。私は例によって、高速代をけちった「国道コース」でした。往路では、白馬を通り越して、日本海まで到達し、カニを食べてきました。復路でもすべて下道をとおり、中里村の「恐竜センター」に行ってきました。とても充実したすばらしい旅でした。
国道コースの朝は早い。今回は 5:30(もちろん「午前」のだ)に集合だ。集合場所は北原交差点だ。北原交差点は、東京都 田無市にある交通の要所で、青梅街道、新青梅街道、所沢街道が交わる場所だ。日中はこの交差点はものすごく混雑するのだが、朝早いので、まだ流れは順調だ。今回のツーリングの目的地は白馬だ。そこに下道を通って行くためには、地図を見る限り、R299,R141,R18 を経て行く道が最も近いと考え、このコースを選択した。そして、R299 への最適なアプローチが所沢街道なのだ。
もっとも、これには「早朝」という条件が付く。人々の本格的な活動が始まってしまうと、所沢街道、R299 は、すごく込んでしまうのだ。
TET のツーリングの集まりは、通常はとても悪い。しかしこの日は国道コースのメンバーが3人(石垣さん、岩松さん、奥永)だけだということもあり 5:40 には出発体制が整った。
今回の表向きの目的地は、長野県の白馬村だ。しかし、このとき既に我々国道コースには秘密のもう一つの目的があった。
白馬は、長野県の中でも日本海側の端っこに位置する。目的地である白馬まで行けば日本海(糸魚川)までは 50数km 程度を残すだけになる。日本海といえば、カニである。糸魚川から16km ほど東に走ると、能生というところがあり、そこに「道の駅」がある。地図でみると、このすぐ近くに「カニ屋横丁」という場所がある。日本海側にある「カニ屋横丁」という位だから、きっとここに行けばおいしいカニが安く食べられるに違いない。
しかし、なにしろそこは日本海である。ましてや我々は、国道コースである。そして行く手には、数々の峠や、都市部の渋滞という恐ろしい敵が待ち構えている。宿に着くのがあまり遅くなると、他のメンバーや宿の人に迷惑をかけてしまうので、遅くとも 18:30 には宿に着くことが要求される。はたして我々はカニを食べることができるのだろうか?
5:50頃北原交差点を出発した。なにしろ早朝なので、交通量が少なく、順調に距離を稼ぐことができる。所沢街道、R463 を軽くクリアし、R299 に突入。入間市、飯能市を通り過ぎ、正丸峠を越えて、秩父市に至る。秩父市を通過し小鹿野を通り過ぎて、志賀坂峠を越える。そのまま R299 を進むとそのうち T字路にぶつかり、ここを左折する。すると中里村である。ここには「恐竜センター」というのがある。ここに寄っていきたかったが、この時点でまだ 8:30 であり、「恐竜センター」が開くのが 9:00〜であった。ここで30分も待って、時間を無駄にすることはできない。通過した。
中里村を過ぎてしばらく行くと、上野村に「道の駅」がある。ここで休憩をとる。この先に、本日最初の難関「十国峠」が待ち構えている。これは群馬県と長野県の県境にある恐ろしい峠である。この峠を境にして R299 は切断されている。R299 の切れ目を補完する形の県道によって十国峠を越えなければならないのだが、この「十国峠補完道路」の多くに未舗装の部分があるのだ。そして、中には断崖絶壁でガードレールも無いような道があるのだ。
R299経由で長野県に行くには、十国峠の他に「ぶどう峠」を使うという方法もある。しかしこの場合、結構遠回りになる。
とにかく、我々は十国峠の入り口まで行った。すると、「路面崩落のため、当分通行止めです。代わりに○×林道(名前は忘れました)を使ってね」という表示があった。私は内心ほっとした。どんな道でも「十国峠補完道路」よりはましだと思うからだ。
地図を見て確認して、ぶどう峠側にちょっと行ったところからこの「○×林道」に侵入する。とても狭い道だが、全線舗装されているので、本来の「十国峠補完道路」よりははるかにましである。そして、この「○×林道」は、十国峠の頂上付近に出る。今までも、この「○×林道」を使っていればそれほど苦労して十国峠を越えることは無かったのだ。
十国峠の頂上で休憩を取った。元々ここには便器からお化けが出そうな古い公衆便所とベンチがあって、数台の車が止められるようなスペースがあったが、その公衆便所は新しいきれいなものに変わっており、駐車スペースもアスファルト舗装されていた。さらに、りっぱな展望台が建てられていた。
十国峠を長野県側に下ると再び R299 に出る。そのまま進んで R141 にぶつかったところで右折する。R141 を小諸まで進んで R18 に入る。そして更埴付近の R18 沿いの蕎麦屋で「おしぼりそば」を食べて昼食とした。「おしぼりそば」は、つけ汁の代わりに、大根おろしを絞った汁に味噌を溶いたものをつかうという風情のあるもので、なかなかうまかった。大根おろしのしぼり汁が辛いので眠気覚ましにもなる。R18 はひたすらまっすぐな道が多く、とても眠くなるのだ。食事をしながら、今後の方針に付いて検討した。日本海にカニを食べに行くには、14:30 には白馬に到達していなければならないという結論になった。
長野市内に突入する手前で R18 を左折し、県道に入る。長野市内の混雑を避けるためだ。そのまま適当に県道を走って、R19 バイパス(オリンピック道路)に到達した。ここで、R19 を横切る形で県道に入って山を越えて R406 に達するというのが当初の予定であったが、親切にも横に止まった地元の軽トラのおじさんが、「このまま R19 を進んだほうが白馬までは早いよ」と教えてくれた。そこで、その助言の通り、R19 に左折して侵入した。すると、「白馬ー長野道路」という有料道路(150円)がみつかり、これを通れば白馬までは早く行けるということだというのがわかった。
有料道路を通るのは誇り高き国道コースのポリシーに反するが、カニを食べに行くためには仕方が無い。この有料道路を通って、そのあと県道を通って、 R148 に出て、そこを右折して、なんとか 14:30 ぎりぎりに白馬に到着できた。あの軽トラのおじさんの助言が無ければ、カニを食べに行くことはできなかったのだ。おじさんありがとう。
R148 を北上し、一路糸魚川を目指す。糸魚川で R8 にぶつかるのでここを右折し、海沿いの道を走る。はるかかなたに見えるのは朝鮮半島だろうか。R8 を十数キロ走ったところで、ついに「道の駅・能生」を発見した。なぜか巨大な風車が回っている。なんと、「カニ屋横丁」は「道の駅・能生」の中にあったのだ。さっそく数ある店の中から品定めして(多分どこでも同じだと思う)、カニを買う。大きさによって、一匹 500円、800円、1000円、1200円のように階級分けされている。我々は一匹 800円の各自1匹ずつ買った。すると、もう時間が遅かったからか、一匹に付いて2匹ずつおまけしてくれた。一人当たりカニ3匹の割り当てになった。ああ、ここが天国に一番近い道の駅だ。
カニ屋横丁の前には、幾つかのテーブルが用意されており、その場でカニを食えるようになっている。我々は、カラ入れの容器とおしぼりをもらって、無言でカニを食べた。苦労した後だけに、ものすごくうまかった。
夕食も近いので、とりあえず一番大きいカニだけ食べて、残りはお土産として宿に持っていって、夜の宴会でみんなで食べることにした。すると、店のおばちゃんが、新聞紙を敷いたビニール袋に入れて、氷まで入れてくれた。おばちゃんありがとう。きっとまた来るよ。
カニを食べ終わって、白馬へと向かう。R8 を糸魚川まで走って R148 に左折して、そのまま山を登れば良いのだ。しかし、途中で、ついに雨が降り出した。さらに、ものすごい向かい風が吹き出した。結構ぼろぼろになりながら、白馬に到着した。しかし、ここで、だれも宿近辺の詳細地図を持ってきていないことが判明した。今回の宿には以前に何度か泊まったことがあるので、記憶を便りにうろうろ探し回っていると、偶然花島さんと出会った。
結局宿に電話して場所を確認して 18:30 頃ようやくたどり着くことができた(金井君、せっかく送ってくれたのにごめんなさい。こんどから、ちゃんと宿近辺の地図は持っていきます)。
宿に着いたら、すぐ食事だった。うまかった。ご飯は 6杯お代わりした。そのあと風呂に入って、酒飲んで大騒ぎして寝た。
復路は私ひとりで、国道直行コースをとった。その概要は、
R148→R406→県道→R19→県道→R18→R141→R299→R463→所沢街道
というものだ。
R406 と R19 をつなぐ県道は、曲がりくねっていてしかも高低差の激しい山越えの道で、運転の下手な私には過酷な道だったが、景色はすばらしく、楽しかった。無事に R19 にたどり着き、長野市内をかすめるように県道を通って R18 に入り、上田を通って小諸で R141 に入る。ここで、初めてセルフサービスのガソリンスタンドで給油した。なかなか面白いものだ。
R299 で左折して十国峠に入った。その上り道で、木の枝が道に落ちていると思ったら、蛇だった。近くに川があることと、模様からして、多分まむしだった。よけきれずに轢いてしまった。申し訳ないことをした。しかし、轢かずに止まってしまったとしても、困ったことになるだろう。車なら飛び掛かってきても平気だが、バイクの場合、足とかを噛まれると、相当なダメージをくらう。
例の「○×林道」を通って十国峠を下り再び R299 に入り、中里村に達した。ここで往路で寄れなかった「恐竜センター」に入った。600円で、結構な展示を見ることができた。特に、モンゴルの恐竜化石が特別展として展示されていて、その中には有名なヴェロキラプトルとプロトセラトプスの格闘化石をはじめとする貴重な展示が数多くあった。
渋滞を覚悟の上で、R299 を往路と逆方向にそのままさかのぼって帰ったが、秩父市内、飯能市内、入間市内でお決まりの右折渋滞がちょっとあっただけで、全体的に流れは非常に良かった。復路も充分に快適なツーリングだった。しかし、往復で下道のみを使うのは、いささか疲れた。
スタッフの皆さん、参加していただいた皆さん、一緒に走ってくれた皆さん、大変お世話になりました。ありがとうございました。また楽しいツーリングに行きましょう。
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