1998/10/10-11 秋の乗鞍ツーリングレポート
国道コース編
by 奥永

長野県の乗鞍に一泊ツーリングに行ってきました。宿は「国民休暇村 乗鞍」です。 ここは何年か前にも利用したことがあり、食事の内容がすばらしく、あまつさえ、 遅れて到着したメンバーのために 21:00 頃まで食事をとっておいてくれたという、 感動的な宿です。

今回は総勢14名と、少々さみしい人数でしたが、事故(途中で動かなくなったバイクがありましたが)もなく、 楽しい旅でした。

今回私(奥永)は、単独で国道コースでした。これは主に懐具合を考えてのことですが、おかげで 秋に向かう信州の美しい山々を心行くまで堪能することができました。

以下に行き帰りのコースと宿に関することを覚え書きのように記述します。 これらはまったく、私の独断と偏見と主観に基づくもので、事実とは異なる場合があります。 また、通った国道や県道や有料道路の番号や名前や値段、地名など、不正確な点もあるかと思います。 明らかな間違いを見つけられたら、メイルで指摘していただけると幸いです。

なお、私は写真をとらない主義なので、デフォルトでは、ここに写真は載りません。 載せたい写真がありましたら、メイルに添付して送付してください(石垣さん、載せる場所は違いますが、羊の解体ショーよろしく)。


行き編

いつもはうれしくて緊張してあまり眠れないのだが、今回は 4時間くらい眠れた。 4:00 に起床というか猫に起こされる。猫の世話をして支度をして 4:30 に東京都 田無市を出発。 この時点で都内は好天。しかし、この後かなりの雨が降ったらしい。私はその理由を知っているが、あえてここでは言及しない。

ここからもっとも楽にアクセスできることを基準に組み立てたコースは、大体
所沢街道→R299→R141→R142→R158→乗鞍
である。しかし、この安易な選択は途中で峠地獄という結果になる。

R299 は峠のオンパレードである。入間から秩父に行く正丸峠、群馬と長野の境にある十石峠 などである。これらの峠は私の愛読書「木枯らし紋次郎」にも頻繁に出てくる。 特に十石峠はなぜか頻繁に出てくる。それで、ここを通るのを楽しみにしていたのだが、 私は何年か前にもここを通ったことをすっかり忘れていた。ここは国道の癖にいまだに かなりの未舗装区間があるのだ。しかも、道路の片側が断崖絶壁のところも多い。

結局今回も工事は進んでいたものの、かなりの未舗装区間が残っていた。前回は DT200R だったので、かなり楽だったが、今回はやや重い KLE250 で、ふらふらしながらも、 無事に通り抜けることができた。

この未舗装区間というのが、木枯らし紋次郎の時代からまったく変わっていないんじゃないかと 思うくらいのすごい道で、もしも雨が降っていたり、風が強かったりしたら、決して通る気には ならないだろう。まあ、オフロードの人にとってはうれしい道でしょうが。

しかし、苦労してこの峠を抜けると、頂上付近からの景色は絶景で、また、白樺の並木などもあり、 元を取った気がした。

R299 を抜け R141 に入ると、適度な緩いカーブと直線コースが続くとても快適な道になる。 そのまま R141 を北上し、 R142 に入り、コンビニで食い物を買って浅科(?)の「道の駅」で経済的な朝食をとる。 一路、松本を目指すが、これにはかなりの山を越えなければならない。 地図を見ると、この山越えには大体3通りの方法がある事が分かる。 400円コースと、900円コースと、100円コースである。

大体長野県には県で作った有料道路が かなりある。それらは主に山を越えるために使われる。 そして、まるで江戸時代の川を越える時のように、コースの選択によって、山越えにかかる金額が 異なるのである。

400円コースは、なんとかという、トンネルを越えるコースである。 900円コースは、ビーナスラインというのの一部を通る、まあ、どちらかというと観光コースである。 100円コースは、R142 に沿ってかなり南下して和田村から県道を通って、途中に何とか林道という 100円の道を通るコースである。 本当はまったく金のかからないコースもあったのだが、今回はがけ崩れか何かで道路がふさがっていたので そこは通れなかった。

結局私は往路では 400円コースを通った。これは「こっちに行ったら松本だよ」という卑怯な看板の誘惑に負けて、 行ってみたら有料道路だったのだが、まあ、距離的にはこれが最も近かった。

それで、そのいやらしい山(この辺出身の人ごめんなさい。代わりに広島県安芸郡付近の悪口を言ってもいいです)を越えて松本市に入って、松本駅付近をごちゃごちゃ行って、 R158に突入すると、そこはひどい渋滞だった。 その渋滞の原因は、おそらく、主に、交通量が多いことによる 1/f 揺らぎ渋滞、所々工事中、道が狭いのでバスやトラックのすれ違いで止まる、 およびそれらの相乗効果であろうと推測される、まあ、結局訳の分からないもので、これが乗鞍への入り口付近まで続いた。

しかし、バスやトラックおよび整備不良車の NOx たっぷりの排気ガスを吸わされることを除けば、 この渋滞はそれほどいやなものではない。なぜなら、ゆっくり周囲の山や湖の景色が楽しめるからだ。 大体私はインスマスのような寂れた漁港出身なので、このような深い山や湖を見るとうれしくなってしまう。

だんだん標高がものすごく高くなっていって、何度も耳がおかしくなり、何度もつばを飲む。 結局乗鞍についたのは 13:00頃だった。

まあ、 15:00 頃に宿に入ればいいと思って、ぶらぶらと遊ぶ。観光センターのようなところで、既に焼きたてではない焼きたてパンを 買って、持参した韓国製のツナ缶をおかずに遅目の昼食を摂る。適当な場所がなかったので、道路沿いの川の近くの大きな岩の上で道路に背を向けて ぼそぼそ食べていたので、上高地も近いし、かっぱと間違えた人もいるでしょう(私は頭頂部が薄いし、甲羅のようなリュックを背負っており、青い服を着ている)

宿編

17:00 頃からぼつぼつと他のメンバーが宿に到着し始めた。そして各々風呂に行った。 宿にメンバーからの連絡が入った。安松さんのバイクが動かなくなり、石垣さんの車に便乗してくるとのこと。 近年にない大きなトラブルである。

可能な限りメンバーのそろうのを待って夕食の時間を送らせる。ここではいつもこうなるのか?でも 今回はさすがに飯をとっておいてはくれないだろうな、と思っていると、幸いにも時間内にみんな到着。

私は普段晩飯のおかずが1or2品位なので(自炊してます)、豪華な料理が 目の前に並んでいるのを見て意地汚くも食いまくってしまった。そのおかげで、しばらく動けなかった。 特に岩魚のような魚に味噌をつけて朴の葉でまいて焼いたのがうまかった。また、馬肉の鍋もなかなかだった。 贅沢なきのこ尽くしの料理もよかった。

さらに、寝床に関しても、普段は渡世人のように掛け布団を二つ折りにして板の間にほとんど直接寝ているので、 畳の上の柔らかい布団で眠れるかと思うと、うれしくて、宴会もそこそこに、たっぷりと睡眠をとらせてもらった。

一方、古川君が38度も熱を出して夕食後すぐに寝付いた。翌日帰れるかどうかが危惧されが、 翌朝には 37度まで下がって、無事に帰ることができた。

一夜明けて、翌朝は申し訳ないような好天だった。さっそく朝風呂に入ると、既に風呂は満員状態である。 みんなよく眠れたらしい。朝食はバイキングだった。こんなことなら、前の日にあんなに食うんじゃなかったと 後悔する。朝のバイキングで十分に食っておけば、夜までなにも食わなくてすむのに。

帰り編

9:30 頃に集合写真を撮って、各自家路をたどる。中には、山に登る人もいた。私はそのまま山を下りて、R158に 突入した。今度はまったく混んでいなかったが、遅い車に立ちふさがれると、ペースが落ちてしまう。松本市内も、 まったく混んでいない。さて、ここらで、どのコースを通って例のいやらしい山を越えるかを決めなければならない。

帰りはもっとも金のかからない 100円コースを選択した。 これには、 R158 を真っ直ぐ行ってガードをくぐったら突き当たりを左折して、また突き当たりを 右折してまた突き当たりを左折してまた突き当たりを右折する。もうわけがわからない。 とにかく松本市役所の北側の道に出て東に行けばよい。で、なんとか「松本和田線」に突入できた。

それから、恐ろしい「900円コース」に突入しないように注意して進むと、まんが日本昔話に出てくるような谷あいの村を通ることになる。 ここは本当に美しいところで、感動していると、ダムができるようなことが書いてある。底に沈んでしまうのだろうか? すると、もしかして、100円コースおよび 0円コースはなくなってしまうのだろうか?と危惧される。

100円コースの道を景色に感動しながら、(この時点で既に「いやらしい山」ではなくなっている)ひたすらグネグネ 走っていると、またまた標高が高くなり、耳がおかしくなり、つばを飲む。気がつけば、またまた、眼下に絶景。

ついに 100円の「何とか林道」に突入(ちなみに、100円なのは自動二輪で、普通車はもっと高いです) しかし、そこを抜けるとき、恐ろしい罠が待っていた。なんと、100円林道を抜けると、そこは 900円コース(ビーナスライン)の入り口 だったのである。かといって、元きた道を引き返す気力もない。「資本主義の悪魔め」とかなんとか悪態をつきながら 仕方なしに「美ヶ原方面」と書いてあるほうへ行く。

しかし、しばらく行くと、正しい 100円コースらしい県道への入り口があった。大型車は通行禁止で、未舗装で狭いから 注意していきなさいよという警告が書いてある。やはり、どちらかというと金のかかる道を通らせたいのだろうか。

未舗装のところはなかったし、道は狭いが、十石峠に比べたら、天国のような道である。しかも天気はいいし、景色もいい。 こんな道通るやつは私しかいないらしく、交通量も 0に限りなく近い。この道は、最終的に R142 に出る。そのまま R142 を北上する。

帰りに十石峠の恐ろしい下りを通るのは嫌なので、R142 に、上信越の佐久への目印が明記されていたら、そこから高速に乗ってしまおうと心に決めていた。 すると、看板がちゃんとかかっていたので、もう十石峠は通らなくてもよいことになった。

結局、上信越の佐久から関越の所沢までで 2950円もかかってしまった。これだけ金をかけてしまうと、 意地でも下道で行けばよかったと後悔するが、やはり、道が混まないうちに 早く家に着きたかったので仕方がない。

他の人にとっては何の情報にもならないでしょうが、所沢インターから池袋方面に行って、川越街道池袋方面に入って、 線路の下をくぐって県道40に入ってから、ごちゃごちゃ行くと早く家に着けることがわかった。 田無にたどり着いたのは 14:30頃だった。ああ、楽しかった。

ご意見、ご感想、ご文句、ごいちゃもんは奥永まで。



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