キャンプに行くたびに、「あ、これを持ってきておくべきだった。」とか、「このような準備が必要だった。」と、 いう後悔があるのですが、キャンプが終わると大抵忘れられてしまいます。そこで、キャンプに行ったら、それを 忘れないうちにここに書いていこうと思います。もしも、これを読まれた方で、なにか追加事項や訂正事項を 思い付かれた方がいらっしゃいましたら、奥永まで 連絡いただけると幸いです。
新聞紙や広告やダイレクトメールなどの要らない紙は、空間に余裕がある限りとって置いて、 キャンプの焚き付けにする。
使用済み割り箸を捨てないで、ざっと洗ってとっておく
ダンボールも可能ならばとっておく。
とにかく、燃やして差し支えないものは、可能な限り日常生活において保管しておいて、キャンプの時に燃やす。 ダンボールなどは、燃やしてもいいし、テントの下に引いても快適である。
鉈(ナタ)、トング、着火マン、火かき棒、これらのうち鉈以外は、百円ショップで売っている。気が付いたときに 買っておきましょう。石垣さん、いつも鉈を持ってきていただいてありがとうございます。ちなみに、私が子供の頃、 近所に鍛冶屋があって、そこで 1800円で「鉈鎌」という、ものを売っていた。これは鉈なのだが、先端が鎌のように 曲がっていて、まるでロールプレイングゲームで悪者が使う武器のようにかっこいいものだった。これなどは 鉈としても使えるし、山犬に襲われたときなど武器としても極めて有効なのであったほうがいいだろうが、もう 手に入らないだろう。
アウトドアショップなどで着火剤を買っておいて、それを使う。ただし、服や体に付いて それに火が点くと危険なので、注意すること。ガソリンや灯油を薪にかけて火を付ける場合は、 必ず火を付ける前にかけること。点いている火にガソリンを注ぐのは、非常に危険である(注がれるガソリンの 流れを火がさかのぼってくる)。
下部に紙を入れる空間を残した状態で、空気の流れを考慮して、細いものから順に焚き付けを積んで、 最終的に薪に火が点くように構造(水平方向から仰ぐと上方に向かって気流ができるような構造すなわち、 壁に薪が立てかけてあるような状態が望ましい)を作る。このとき、不幸にして途中で火が消えてしまったときの ことも考慮して、後で、再び下部に紙が入れられるような構造にしておくと理想的である。
下部の隙間に燃焼時間が長くなるように適度に絞って硬くした新聞紙などを入れる。このとき、 この絞った新聞紙に灯油や食用油を染み込ませておくと、なおよい。
可能な限り理想的な点火構造ができたら、一番下の紙にマッチやライターなどで火を付ける。 この火を付ける部分で文明の利器に頼ってしまうのが、この方式の「中級者編」と呼ばれるゆえんである。 点火の際に、このデリケートな系を破壊しないように、着火マンなどを使用するのが理想的である。
焚き付けに充分な火が回ったら、うちわであおぐ。空気を減衰要素に、うちわの柄の部分を弾性要素に見立てた 系の固有振動数であおぐと送風量が最大となる。慣性要素は、うちわが充分に軽ければ無視できる。 もしも音速に近い速度でうちわを動かすことが可能ならば、空気は弾性要素と慣性要素としての性質を持ち始めるが、 たかがキャンプでそこまで考える必要はないだろう。 とにかくこの系の固有振動数は、うちわを動かすのにもっとも抵抗が大きくなる振動数として経験的に 把握することができる。 厳密なことを言えば、これは空気とうちわだけでなく、それを動かす人の出す力と速度が関わった四端子回路 問題とのアナロジーを考慮してインピーダンス整合によって論じられるべき問題なのだが、そこまでしても 意味があるとはおもえない。とにかく、可能な限りの風量で空気を送れば良いのである。
マッチやライターを使わずに火をつけることは可能である。 以下にこれらの方法の幾つかを紹介する。ただし、どの方法も、共通の前提条件がある。まずそれを列挙する。 なお、これらの前提条件は「中級者編」においても共通する部分がある。
火打ち石を使うと、充分な訓練を積んだ場合は、非常に簡単に火を得ることができる。 ただ、現代人でそんな訓練を積んだ人間は滅多にいないだろう。もちろん私もできません。 2本の乾燥させた木の棒を互いに激しくこすりあわせる、木の板に穴を空けて、その穴に 錐のように激しく木の棒をねじ込む、竹の皮を木に巻いて、それを激しくこする、 これらは、いずれもやってみましたが、とても私には火は起こせませんでした。
これは、太陽が出ているときでないと使えない方法だが、かなり簡単に 火を得ることができる。
何人かひとがいれば、なかにはめがねをかけている人がいるものだ。 また、ややこしいナイフなどにはレンズがえてして付いているものだ。
寒い地方であれば、氷を適度に加工して、磨けば立派なレンズになる。 運良く回転放物面に近い曲面があれば、そこにアルミホイルをひけば凹面鏡になり、その 焦点にものを置いたら火が点く。
透明なビニール袋があるのなら、それに水を入れて、何らかの方法で円状にすれば、かなり簡単に 強力なレンズが得られる。また、透明なプラスチックの板を歪めたものや、自動車のフロントガラスなども 強力なレンズとして使える場合がある。これらのレンズは通常われわれが知っているレンズと比べて非常に 大きなものであり、そのエネルギの集中の度合いには想像を絶するものがある。アルキメデスがローマの船を焼いた という話や、ガンダムのソーラレイシステムなどを彷彿させる破壊力がある。使い方を誤ると非常に危険である。
一方のふさがった竹筒などをシリンダとして、その底に着火剤を入れ、ちょうどそのシリンダがふさがるような ピストンとして作用するようなものを用意して、紙や綿などをそれに巻いてシリンダに挿入し、 そのシリンダを木槌などで、思いっきり叩く。できれば音速に近いくらいの速度で叩く。 力よりも速度が重要である。まあ、ボイルシャルルの法則により、速度を出そうと思ったら 力も必要なのであるが。そのボイルシャルルの法則を打ち破るくらいの気構えで叩くのである。 そうすると、断熱圧縮により、シリンダ内の温度は急激に上昇して、着火剤に火が点く。 ほとんど確実にシリンダは壊れるので、よほど丈夫なものでない限り、これは一回しか使えない。
アフリカのピグミー族の中には火の起こし方を知らない部族もいる。 そのような人々は、移動の際には落雷や野火の際に得た火種を木の葉などに厚く包んで大切に持ち歩くのだ。 必要がるのならば、火を絶やさないという考えは重要である。
もしも手元に「NECRONOMICON」という魔道書があるのなら、その中に「クァトゥグァ」という邪神を 召喚する方法が書かれている。その邪神は火を司るということになっているので、きっと火をつけるのに手を 貸してくれることだろう。ただし、その火をつけるというのは、エネルギーにして見れば、おそらく原爆何個分 かの単位でした調整は効かないので、かなり広い範囲を破壊することになってしまうだろう。まあ、「NECRONOMICON」 は、アラビア語かラテン語かギリシャ語が読めなければ意味ないので、この方法は考慮する必要はないだろう。